例会報告
第56回「ノホホンの会」報告

2016年5月30日(月)午後3時~午後5時(会場:三鷹SOHOパイロットオフィス会議室、参加者:狸吉、山勘、恵比寿っさん、ジョンレノ・ホツマ、本屋学問)


 梅雨入り前の不安定な天気ですが、このところ全員が顔を揃える充実した会が続いています。格好の政治ネタである舛添東京都知事の公私混同問題には、全員が「セコイ!」と結論付けました。口ばかりうまくて礼節が伴わない、卑しさがこれほど身に付いた完璧な「反面教師」も、そう滅多には出てこないかもしれません。政治資金規正法改定に一石を投じたという意味では大変な功労者ではありますが…。


(今月の書感)

「日本の論点」(致智望)/「原節子の真実」(本屋学問)/「WHAT IF?ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか」(ジョンレノ・ホツマ)/「座らない!成果を出し続ける人の健康習慣」(恵比寿っさん)/「30の戦いからよむ日本史(上下巻)」(山勘)/「昔はよかったというけれど 戦前のマナー・モラルから考える」(狸吉)


(今月のネットエッセイ)

「本当のおもてなし」(本屋学問)/「あきれた脱税・カネ隠し」(山勘)/「TPPに限っては安倍首相が正しい」(山勘)


(事務局)


 書 感

日本の論点/大前研一(プレジデント社)


本書は、雑誌「プレジデント」に毎号連載されている記事を纏めて書籍にしたものである。従って、本書の内容はエッセー集の形になっている。扱われているテーマは、24稿から成っているが、私が興味を持つ論点をピックアップして、書感とした。論点ごとの概要と著者の結論としての主旨を記した。


1. どんな国家を目指しどんな世界観を持つのか。

内容:日本が世界の為に供出しているお金を全部足せば税収の10%くらいの額になる それを五月雨式に出すのではなく、世界タックスとして納めれば世界から好感される。

著者の結論:日本は、もう反省文を書く必要が無いと言うのが論点の趣旨

2. アベノミックスのまやかしは見透かされている。

憲法改正が封じられると、安倍政権に次のアジェンダは見当たらない。つぎのアジェンダが打ち出せない政権は、生きる屍、ゾンビのようなもの。日本経済立て直しが本気なら、「移民政策」「少子化対策」「教育改革」に本気で取り組む、アベノミックスは国民に見透かされている、本丸の憲法改正も封じられかねない。

3. 目を覚ませ、年金制度はもう破綻している。

日本の経済成長率、サラリーマン昇給率、出生率、運用利回り、これら前提が全部間違っているから、制度が成り立つわけがない。老後資金は、自分で準備するものと心得よ。

4. 容積率緩和で富創出、これが日本活性化プラン。

資本主義における成長の三要素のうち、日本に残されているのは土地のみ。規制を取り払えば、大都市圏の土地供給はほぼ無限になる。「容積率」「建蔽率」「高さ制限」など、全て都道府県に権限を委譲せよ。

5. TPPが成立しても日本の農家は変わらない。

1970年には1000万人以上いた農業就業人口が、今や226万人、そのうち3分の2は65歳以上、その米農家は年金所得が農業所得の3倍以上だ。世界第二位の農業輸出国であるオランダは、「自由化」「選択と集中」「イノベーョン」にシフトし、ボリューム型農業からクオリティー型へと変貌を遂げた。

6. 世界に負けない「日本の農業」改革私案

日本の農業改革のきっかけになるのは農協の株式会社化で、JA全中を解体しても充分ではない。地域農協を株式化し、経営力と世界化への気概を持った20ぐらいの地域農協が生まれると状況は一変する。高品質で美味な農産物に集中する。

7. 沖縄から基地がなくならない隠された密約。

米軍が沖縄の基地に核を持ち込もうが貯蔵しようが、日本政府は文句を言えない。アメリカは、民政を返還しても、軍政は自分たちの権利と考えている。アメリカは、日本の防衛と関係ないベトナム戦争や湾岸戦争にも沖縄米軍基地を使ってきた。加えて「思いやり予算」で駐留経費の面倒まで見ている。更に言えば、沖縄県民の一人当たりGDPたるや最下位も断トツの最下位、基地無しで食えるのか。

8. 選挙圧勝は自民党の内部崩壊の序曲。

密約ベースの外交を繰り返し、閣議決定で憲法解釈を変更するだまし討ちのようなやりかたで我が道を行けば、いずれ必ず国民にそっぽを向かれる。歴史は繰り返す。自民党議員の本音はさておき、取りあえず右寄りを気取っている議員。そして、もう一方の核になりうるキーマンが小泉新次郎を推す声は相当高いと言う。

9. 橋下徹君へ「なぜ君は敗北したのか教えよう」。

  「負けは負け」ではなかった、と言うのが私の判断である。アッピールの仕方を間違っていなければ、住民投票の1万票差から判断しても、圧勝していたに違い無い。やり方次第で大阪都構想、その先の道州制に向かって前進出来る感触を得た。橋下市長が歳を重ねて人間味を加味すれば、その先駆となりうる。

10. 日本人が知らない日本の歴史について、話をしよう。

歴史は捏造されるものだ、日ソ間の問題、その実態はヤルタ会談の米ソ密約が領土問題の元凶。ルーズベルトは、南樺太変換と千島列島の領有を認める見返りに日ソ中立条約の破棄と対日参戦を要請した。その結果、北方四島を含む千島列島を戦利品としてソ連が得る事をアメリカは認めた。その後、冷戦時代となり、日ソ間では二島返還で妥結寸前まで進んだものを、アメリカは日ソ関係の修復を嫌い、沖縄返還を求める重光に対し四島の一括返還を求めるよう交換条件として、重光に迫った。

民主党の鳩山政権時代のこと、「日米中、正三角形」等距離外交を上げた鳩山首相に対しオバマは激怒し面会を拒否したと言う。対米追従外交しか許されないのは何故か。封印された問いである。

安倍内閣が閣議決定した集団的自衛権は、アメリカ議会ではこれによって米軍指揮下で参戦出来る日本として歓迎されている事が全く報道されていない。

尖閣問題の裏に自民党政権の密約外交があり、日本国民には何も知らされていない。中国が国際連合の理事国になったのは蒋介石の中華民国で、台湾に成り代わって常任理事国になったのは、1971年以降のこと。中国人民を日本軍から解放したと言うが事実では無い。共産党の一党支配の根拠も歴史の捏造であり、誇張である。

竹島を取り返すのは今のままでは難しい。歴史をかえりみれば優位性は日本にあるが、李承晩ラインがひかれた以降は韓国が実効支配してきた、世界共通ルールからすれば、放置していた日本の負け、軍事的に取り返すしかないが、狂信的な意思統一が出来ている韓国に対しそこまで出来るか。

歴史認識を見直すだけで劇的に関係が向上する相手はロシアである。ロシアと平和条約を結ぶ利点は大きい。ウクライナ問題が片付いたら、この問題を優先順位の高い課題とプーチンは考えている。間違った歴史教育によって、日本人は70年間洗脳されてきた。ウクライナ問題もヨーロッパ諸国はロシアに押し付けたいと思っている。日本にとって今一番信頼できるのはロシアである。

11. 備えよ! リーマン・ショック2と中国崩壊

世界を駆動しないアメリカの一極繁栄は、世界にとって大きな不安定要因。その一方、中国リスクは経済のリスクと共産党政権の突然死という2つのシナリオを想定すべき。土地転がしとキックバックの仕組みが中国経済を大発展させてきたことは間違いない。その仕組みがなくなれば、中国経済のダイナミズムは失われる。

アメリカに吸い寄せられた資金が生み出すバブルが崩壊する過程で、世界はリーマン・ショック2のとばっちりを受ける可能性が有る。また、中国が普通の新興国になって、13億の人口の大半が貧乏のままという事態になれば、国体さえ揺るがしかねない。

12. 中東騒乱、アメリカは日本に何を要請してくるか。

過去20年、アメリカが派兵を要請した「普通の国」では、いずれも大きな犠牲が発生している。しかも、問題なのは、アメリカが引き起こした戦争に大義がないことだ。集団的自衛権の本質とは、アメリカという大義も判断力もない国の要請に対し、「軍隊の出前」をすると言う事。アメリカが要求している「双務性」を受け入れたらどうなるか。グレーゾーンでも地球の裏側でもアメリカの要請に応えて自衛隊を出さなければならない。一方、アメリカの「双務性」という要求を拒否したらどうなるか。国民全体が正面から向き合って議論する必要がある。

13. 中国の反腐敗キャンペーン、習近平の思惑。

  「反腐敗は自らのトップ就任に反対した不満分子、将来に向けた危険因子を排除するのが狙いであって、口実にすぎない。つまりは権力闘争に基づく粛清なのだ。中国が国内世論に緊張感を与える対立関係となれば、アメリカしかない。中国は、アメリカに近づきすぎた日本を引き戻そうとする局面に移っていく。日本から尻尾を振らなくとも、向こうから勝手に寄ってくる。


著者の上げる論点は、24項目あるが、残りは割愛することにする。それは、論ずる価値が無いからではない。割愛した論点として、「イスラムを育てたのは誰なのか」「アメリカとキューバ、国交正常化は本当に正常化するのか」「スコットランド独立問題は世界に飛び火する」など興味の尽きない論点がある。それらは我々の住む地域から遠いので、身近の問題を優先することにした。

(致智望 2016年5月12日)


原節子の真実/石井妙子(新潮社 2016年3月25日 本体1600円)


 映画ファンならずとも「原節子」の名前の響きは特別である。美しく気品に溢れ、映画ファンを魅了し続けた彼女。1962年の東宝映画「忠臣蔵」を最後に銀幕から去り、2015年9月に95年の天寿を全うするまでその私生活が知られることはなく、伝説が伝説を生んだ。

著者がこの不世出の大女優の評伝を書こうと思ったのは2012年頃という。鎌倉で隠遁生活を送る原節子の家を何度も訪れ、亡くなる3か月前の6月、彼女の95回目の誕生日にも同居する親族に花束と手紙を託した。

新聞、雑誌、書籍、パンフレット…、巻末の「主要参考文献」を見ると原節子に関する資料が意外に多いのに驚くが、著者は現存する原節子の映像をほとんど観たという。また、本書は彼女の訃報を受けて刊行したわけではないと断わっているが、ドイツまで赴いて緻密な取材を重ね、繊細な視点で原節子という伝説の存在を余すところなく甦らせた見事な評伝である。

原節子、本名会田昌江、姉4人、兄2人の末っ子として育った。会田家は東京で4代続いた生糸問屋だったが祖父の代で傾き、父は新天地を求めて横浜に移る。昌江は幼少から聡明な美少女で、口絵に見る小学校当時の彼女は際立っている。父の事業失敗や母の精神疾患を経験しながら私立高女に進学、2年生のときに次姉光代の夫、映画監督の熊谷久虎が日活調布撮影所に移り、家計を助けるためもあって姉夫婦に誘われ女優になる決心をする。学校は成績優秀な昌江に学業を続けるよう説得したが、14歳の少女の決意は固かったという。

1935年4月、昌江は正式に日活の専属女優になった。月給50円、芸名の「原節子」は最初に演じた役名「お節ちゃん」に由来するが、当時は田中絹代、山田五十鈴、高峰三枝子など容姿が想像できる字面も音も美しい名前が与えられていて、この芸名からもわかるように彼女はそれほど期待されてデビューしたわけではなかったようだ。

後年、原節子は「義兄夫婦の存在を離れて、自分という人間は考えられない」と語っているが、姉光代が映画界に入り熊谷と知り合わなければ原節子は誕生しなかった。そして、その後の生活も姉夫婦の献身と犠牲の上に成り立っている。彼らの死後はその次男夫婦が引き継ぎ、原節子を守り通した。終生この義兄夫婦とは、良くも悪くも影響し合うことになる。

女優「原節子」を最初に見出したのは、小津安二郎を尊敬する山中貞雄監督という。最初は恥ずかしがっていたのに、本番になると別人のように直向きに演技する姿に目頭が熱くなった。山中はこう述懐する。原節子は映画への第一歩から強く正しく、清く美しかったと著者は書いている。

山中監督の時代劇で甘酒屋の少女を演じた彼女は、撮影中にさらにある人物に発見される。日独防共協定以後、ドイツ人が抱く日本人への人種差別意識を払拭するため、ナチスの宣伝用合作映画をつくりたいと来日したドイツ人監督ファンクが、日本人主演女優を探して撮影所を訪れたのである。彼はそれまで数多くの日本人女優を見てきたが、原節子を見て一目で気に入った。彼女のエキゾチックな顔立ちと雰囲気が、ドイツ人の感性に合ったのである。

「あのとき自分が撮影所から早く帰っていたら他の人に決まったわけで、運命の不思議を感じる」。節子はこう語っているが、日独合作映画「新しき土」(ドイツ公開時は「侍の娘」)のヒロインに抜擢された16歳の少女には、そんなドイツの真意を知るはずがなかった。「日本は人口が多く、土地がない」、「日本は新しい土地が必要で、日本が満州を得るのは当然だ」。「新しき土」は、そんな思想を持つ映画でもあったようだ。

 1937年のドイツでの映画公開には原節子が招待され、義兄や映画人の川喜多かしこも渡独した。特別試写会には宣伝相ゲッペルス、国防相ブロンベルク、警察長官ヒムラーが列席したというから、和服姿の節子の優雅な外交は対照的だった。マレーネ・ディートリヒにも会え、10代で世界の見聞を広める旅ができた節子は、女優としての新たな気持を抱いたという。

 帰国後、原節子は周囲の妬みもあってか「西洋かぶれ」「生意気」「大根女優」と思わぬバッシングを受け、失意のうち義兄と共に1939年に東宝に移籍、そこでまた大きな出会いがある。吉村公三郎、木下恵介、谷口千吉らを育て、小津も影響を受けたという女性映画の大家・島津保次郎の目に留まり、島津は原節子をかわいがって大切に育てたのである。

当時、節子と親しかった記録係の女性の証言によれば、涙を流すシーンで「目薬を使うか本チャン(本物の涙)か」と聞かれた節子は、「少し時間があれば本チャンで」といった。「本番」の声がかかった瞬間、父親役の俳優の胸にそっと寄り添う彼女の眼に涙が溢れた。この女性は戦後松竹に入社して演出家になり、「長く名優の演技を間近に見てきたが、あれほどの場面に遭遇したことはなかった。演技とはこういうものか」「原節子は決して器用な女優ではなかったが、全身でぶつかっていく、役を心から演じる人だ」と語っている。

 地味な服装で鞄を抱え、付き人も連れず電車やバスで撮影所に通うスター女優は彼女くらいだった。「女学校を辞めて14歳から仕事をしているので勉強しなくては」が節子の口癖で、人と群れることを避け、皆と離れたところで1人静かに読書することを好んだ。

写真家の秋山庄太郎は、撮影所やロケ先に同行して飲食を共にしたとき、原節子だけは他の俳優と違い会社に負担させず、取材者の分まで自分で払っていた。また、自宅で撮影が終わるとビールを出し、野菜炒めやオムライスをつくってくれた。そんな女優は他にいなかったといっている。相手に負担をかけない気遣い、思いやり…。原節子は、「東京物語」の紀子そのものだった。もっとも、本書によれば実は紀子も小津安二郎の恋人がモデルとかで、彼の脚本にはしばしばそうした身近な人物が登場したそうだ。

原節子も恋をした。ベルリン・オリンピックの陸上選手との淡い恋は、彼が招集されて終わったが、1940年頃に結婚を意識した熱烈な恋として語り継がれているものは、会社の圧力で無残に引き裂かれ、相手の東宝助監督は退社させられた。原節子は晩年になっても「一生に一度の恋だった」と友人によく漏らしていたという。そして、彼の結婚に相当衝撃を受けたとも。

自身の白内障手術や、義兄が監督したロケでカメラマンの実兄が蒸気機関車を撮影中に事故死するなど、彼女や周囲で不幸が重なったことが引退の一因と見る向きもあるが、彼女はその後も小津作品に数多く出ている。小津と黒澤明が競って原節子を起用した時期があった。しかし、それだけに確執も多く、最終的には黒澤が引いた。黒澤が最初「羅生門」に原節子を考えていて、義兄の反対で実現しなかったが、もし原節子がその後も黒澤作品に出ていたら、あるいは引退はなかったのではないかと著者は推測する。

節子が小津作品の常連になった頃、小津と結婚するという映画宣伝用の噂が流れたが、表向き母親と2人暮らしだった小津には、実は何人かの女性の影があった。著者は、小津は自分から結婚をいい出せない立場の女性を選んでいたように思えると書いているが、「東京物語」で節子に「私って本当はずるいんです」といわせた小津がこれを読んだら、何と答えるだろうか。

原節子が小津の通夜に1人で現われ、玄関でひとしきり泣いてすぐに立ち去ったというエピソードは有名だが、蓼科高原に小津と脚本の野田高梧の碑が建てられることになり、関係者に寄付を募ったところ、「会田昌江」の名で真っ先に多額の寄付があったという。

著者は、原節子とは何だったのかと聞かれたら、迷わず「日本」と答えたいといっている。彼女が生きているときにこの本が出ていればという人がいるが、自分はその言葉に素直に肯けない。理解されることのない人生を歩んだ者の叫び、自分について語ることも語られることも望まない。それが原節子、会田昌江だった。著者はこう結んでいるが、その望まぬものを出してしまった“業”のようなものを、著者自身感じているのかもしれない。しかし、読む者にとっては、伝説の大女優原節子に迫る充実した読後感を与えてくれる1冊である。

(本屋学問 2016年5月18日)

WHAT IF?ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか/ランドール・マンロー著・吉田三知世訳(早川書房 2015年6月発行)


著者はNASAでロボット工学に取り組んだ後、NASAを退職しマンガ家・インターネットコミックの作者となった。著者のウェブサイトに投稿された突拍子もない、「空想的な質問」と、それに対する著者の答えをまとめたものになっています。

「本書に書かれている内容をご自分で実際にお試しにならないようお願いします」という「おことわり」が、「はじめに」の前にあるのはご愛敬です。本書の訳者が以前読んだ「メビウスの帯」「ヤモリの指」「E=mc2」などの吉田三知世氏と知りました。


馬鹿げているが面白いと思った「質問」から、2~3拾ってみます。


地球規模の暴風:のっかっている全部のものともども地球が自転をやめたのに、大気だけが元のままの速度で運動し続けたらどんなことになるのでしょうか?

答え:ほとんどの人は死んでしまい、その後、昼と夜が6ヶ月ずつやってくる。


全員でジャンプ:地球にいるすべての人が出来る限りくっつきあって立ってジャンプし、全員同時に地面に降りたらどんなことが起こりますか?

答え:地球の自転は全く変わらない。


高く投げる:人間は、物をどれくらい高く投げられますか?

答え:球速世界最高記録保持者(169km/hr)は、理論的にキリン14頭分の高さまで野球のボールを投げ上げられる。ゴルフボールだとキリン16頭分ほどの高さまで投げ上げることが出来るだろう。


海から水を抜く:地球の海で最も深いマリアナ海溝の最深部、チャレンジャー海淵の底に、宇宙までつながっている半径10メートルの円形の排水口を作ったとすると、地球の海から水を抜くのにどれくらいの時間がかかりますか?水が抜かれていくにつれて、地球はどのように変化しますか?


答え:吐き出し口が地球の近くにあると、抜かれた海の水はすぐに落ちて大気に戻り、雨となり、元の海へと降り注ぐ。そこで、火星に吐き出し口を設置しよう。海は広い、抜き始めは、水位は一日当たり1センチも下がらないだろう。完全に海の水を完全にぬくには数十万年かかる。この地図はオランダがヨーロッパの大部分を支配、日本は朝鮮半島とロシアにつながっている。あらゆるレベルで生物圏が崩壊し、大量絶滅が生じることは確実。

表紙裏に水が抜かれたあとの地球の地図が興味を引きました。

(ジョンレノ・ホツマ 2016年5月23日)

座らない!成果を出し続ける人の健康習慣/トム・ラス著・牧野洋訳(新潮社 2015年7月25日 本体1,300円)

 

著者略歴 ビジネス・健康・経済の分野で活躍する人間行動学の専門家。

米ギャラップ社で13年間にわたって「社員エンゲージメント・強味・指導力・ウェルビーイング」部門を統括。

現在は研究や執筆、講演活動を精力的にこなす一方で、同社で上級科学者兼アドバイザーとして働く。

過去10年間で国際的なベストセラーを5冊執筆。処女作「心のなかの幸福のバケツ」(日本経済新聞社)は

米ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー番付の1位。13、14年には(日本未訳)「ストレングスファインダー2.0」が米アマゾンの年間ベストセラー1位。
上記2作に「ストロングス・リーダーシップ」「幸福の習慣」、本書を合わせた5作の

累計販売部数は600万部以上に上る。


はじめに 

Chapter1 三つの基本要素          Chapter2 小さな選択が大きな変化を生む

Chapter3 毎回正しい選択をする       Chapter4 良い習慣を築く

Chapter5 自己免疫システムを強化する  Chapter6 生活習慣は遺伝子を上回る

Chapter7 もっと活力が出る生活をする   Chapter8 タイミングが肝心

Chapter9 応急措置               Chapter10 賢い選択

Chapter11 健康的に仕事する        Chapter12 きっぱり断ち切る

Chapter13 神話を打ち砕く          Chapter14 健康は自宅から始まる

Chapter15 早めに手を打つ          Chapter16 しゃきっとする

Chapter17 期待に沿う             Chapter18 良い夜を過ごす

Chapter19 物事をとらえ直す         Chapter20 日々のルーティンを調整する

Chapter21 今を生きる             Chapter22 究極の老化防止法

Chapter23 健康的に意思決定する     Chapter24 自己責任

Chapter25 予防策               Chapter26 道を切り開く

Chapter27 新しい習慣を身に付ける    Classic28  新しいトレンドをつくる

Chapter29 すべてはつながっている    Chapter30 まとめ

おわりに  ワンセットでやる  新アプリ「ウェルビー」

参考文献


読み始めたときは、間違った選択をしてしまったなと思った。即ち、たいして参考になるようなことが書かれていないんじゃないかと感じたわけです(余談ですが、そういうときのショックって大きいですよね)。


ところが読み進むうち、成程なと思うことや、過去に仕入れていた健康知識と符合することが多く、著書が多く売れているということに得心が言った次第です。


一言でいうと「ウェルビーイング」がこの本のキーワード。健康的な生活をすることが大切で、それを行うこと(ウェルビーイング改善)で生産性も向上するという。会社役員(組織のリーダー)の影響度よりも、直属の上司や同僚のそれが3倍も大きいとも述べられている。


「毎日健康的に働き、成果を出し続けるためには、何を食べ、どんな運動をして、何時間眠ればよいのか。あなたに必要なのは、正しい知識を身につけ、目の前の選択肢から「より良いほう」を選ぶこと。」とカバーの袖に書かれています。そして、座り続けることが最大の敵であると指摘しています。

喫煙よりも座り続けることの方が体に悪いとも指摘しています。座るという行為は、現代社会で最も見過ごされやすい健康リスク。運動不足で死ぬ人は喫煙で死ぬ人より多い。1日6時間以上座ると早死にするリスクが大きく高まる。


私も1日6時間以上座っていることが多いので、困ったな、早く死にたくはないです。1日の歩行数が5000歩に満たない時は帰路で1駅歩くという習慣を持っていますが、これでは足りないということですね。

これで思い出しましたが、街を歩いていると、股関節が固くなって歩行に不自由をきたしていると思われる人の多いこと。杖を使ったり、杖が無くてもいかにも不自由に歩いている方って最近急増していませんか?!


SMALL CHOICES. BIG CHANGES.  これはサイトの副題。本書を象徴していると思います。

(恵比寿っさん 2016年5月25日)

昔はよかったというけれど 戦前のマナー・モラルから考える/大倉幸宏(新評論 2013年10月 本体2,000円

年寄りに席を譲らずスマホに見入る若者、車内で化粧を始めるバカ娘、図書館の本の書込み・切抜き、路上でゴミのポイ捨てなど、今日の公徳心の低下を嘆き、「今に比べて昔はよかった」との声をよく耳にする。


本書は今日世間に流布するこのような話を、「それは単なる思い込み。実際は昔の方が酷かった!」と論破する。著者は当時の新聞や刊行物を調べ、公徳心欠如や反社会的行為に関する記事を抜粋して、本書の裏付け、つまり確かな証拠としている。


まず第一章「駅や車内は傍若無人の見本市」を開くと、当時の鉄道院が発行した冊子「鉄道から家庭に」に、「改札がいつも大混乱の状態を見ることは、まことに嘆かわしいことであります。横側から飛び出したり、無理無体に他を押しのけたり、衣服を裂いたり、怪我をさせたり、まことに見るに耐えない混乱状態を演ずるのが普通であります」とある。


これに続いて、乗客はホームで整列せず列車の出入口に殺到、窓から乗り降りする、乗っても出入口付近で立ち止まるなど、昇降時の状態を伝えている。一人で二三人分の席を占める乗客、弱者に席を譲らぬ若者、車内をゴミで汚す者、車内での宴会、車内で化粧や着替えをする女性、裸同然で車内を闊歩する男性など、車内もまた百鬼夜行の有様だ。


第1章の後は、第2章「公共の秩序を乱す人々」で、「ゴミや痰唾で汚された道路」、「ゴミ捨て場と化していた河川」、「身勝手な人々に荒らされた公園」、「不潔極まりない銭湯の湯」、「書物が大切にされなかった図書館」、「テーブルからモノが消えたパーティー会場」と見出しを見ただけで気分が悪くなる事実の羅列。


第3章「誇りなき職業人たちの犯罪」では、車掌がグルになって貨物列車からの荷抜きが日常的に行われていたというのだから驚く。第4章「繰り返されてきた児童虐待」では「乳幼児を養育すると偽り、一時金を貰って預かった子を殺す」という事件、第5章「すでに失われていた敬老の美風」では実際に行われていた姥捨てや養老院での虐待、第6章「甘かったしつけと道徳教育」では「家庭でのしつけが甘く、我侭勝手に放任された子供の悪戯の度が過ぎる」と、今日よりはるかに酷い状況が枚挙にいとまない。


終章「道徳の崩壊はいつはじまったのか?」で、戦前の知識人が「明治維新までは武士の礼法、町人の礼法が守られてきたが、維新後はそれが崩壊した」と論じている。最後に著者は「しかし日本人の道徳は低下する一方ではなく、今日の状況は戦前戦後よりはるかによい」と結んでいる。嫌な話を散々聞かされた後、結びの一言で救われた思いである。


読了後、「人々はこんなに早く昔の記憶を失うものか。であれば、一億火の玉となって大日本帝国の再興に励む日も近いか」と背筋が寒くなった。(コンナコトヲ書イタラ特高ニ捕マルゾ!)

(狸吉 2016年5月30日)

 エッセイ 

本当のおもてなし


アメリカのCNNニュースで読んだ話である。サンフランシスコに住む女性が、テキサス州にいる母親の容体が悪化したと知らされ、急いでユナイテッド便に乗った。ところがあいにくこの便に遅れが出て、中継地のヒューストンで乗り継ぐ最終便に間に合いそうもなくなったのである。取り乱して泣く彼女に客室乗務員はやさしく声をかけ、できる限りの手は打つと約束した。

ヒューストンに着いて必死でゲートを走る彼女に、空港の係員が「お待ちしていました」と声をかけた。客室乗務員から事情を聞いた機長が乗継便に連絡し、彼女のために出発を遅らせていたのである。彼女はそれを知って「胸が一杯になった」という。空港職員のはからいで、手荷物も乗継便に間に合った。

無事母親のいる病院に駆け付けることができた彼女は、「母は一度目を開けた。自分のことをわかってくれたと思う」と語った。彼女の母親は翌朝、娘に看取られて息を引き取った。自宅に戻った彼女はすぐにユナイテッド航空の客室乗務員、機長、空港関係者に感謝の手紙を書いた。この手紙は、接客の模範的な事例として社内報に紹介されているそうである。

私はこれを読んで、正直意外な感じを持った。乗客の安全と快適さを第一に考えることはどこの航空会社も同じだろうが、効率第一、日本のような“おもてなし”やサービスとは無縁に思えるアメリカで、たった1人の乗客の個人的な理由のために、機長の判断で飛行機の出発を遅らせることができるのか。遅れたことにクレームを付けた乗客はいなかったのか。最終便でなければおそらくこの美談は生まれなかったのかもしれないが、彼女の必死の願いを叶えてあげたいという関係者の見事な連携プレイは、まるでヒューマンドラマのようで目頭が熱くなった。

さて、定時運航率世界一を誇る日本のエアラインで、もし客室乗務員や機長が同じことをしたら、会社や他の乗客は果たして理解してくれるのだろうか、日本でも美談として取り上げられただろうか。

日本は“おもてなし”の国である。日本を訪れた世界中の人たちが、この国の美しい風景と人の心の優しさと、そして素晴らしいサービスを絶賛している。確かに日本人1人1人の心は、皆思いやりに溢れている。ところが、これが官庁や企業や組織となると、残念ながらまるで違ってくるのが現状である。

「前例がない」「例外は認められない」…、とくに生活保護者や外国難民など社会的弱者に対する日本の役所の冷たい対応を見てもわかるように、この国では法律や規則を盾に硬直化した杓子定規の行政しかできていない。本当に困っている人のための血の通った行政やサービスはないに等しい。要するに融通が利かないのである。

日本の役所も企業も裁判所もマスコミも、自分たちは少しも見識を備えていないくせに型通りの常識を振り回す大衆や、まるで見当外れな意見を披歴する無知で馬鹿なネット民に迎合して、せっかくの個人個人の好意を陳腐なルールや多数論理で潰してしまっている。それはどうしてか。何か起こったときに、誰も責任を取りたくないからである。

ユナイテッド航空のケースでは、出発時間がどれだけ遅れたのかはわからないが、機長や運航管理者が直接の責任を取り、最終的には会社の幹部が了承したのだろう。しかし、模範的な接客事例として取り上げられるくらいだから、同社としてはあえて飛行機の出発時間を遅らせた彼らの臨機応変の処置を評価したことになる。

それに対して、日本の社会システムの柔軟さはまだまだ不十分で、おもてなしも何かぎこちない気がする。真の博愛精神、真の寛容さ、責任感という観点から考えると、本当のおもてなし精神を養わなければならないのは日本の社会全体かもしれない。

(本屋学問 2016年5月13日)

あきれた脱税・カネ隠し


あるところにはあるもので、あり余るカネをどこに隠すかで知恵を絞る企業や富裕層が増えている。それを受け入れるのが、いま騒がれているパナマをはじめ英領バーミンガム諸島やバハマなどのタックスヘイブン(税金天国=課税回避地)だ。これに悪知恵をつけるのが関係を持つ金融機関やコンサルティング機関である。その情報が流出したのが「パナマ文書」事件だ。

日本も渦中にあるが、パナマ“進出”の多い国は、中国の3万数千件を筆頭に、香港、台湾がビックスリーであり、中国系の“カネ隠し”努力が際立っている。中位に英国、米国も含み、10位のスイスでも5千件ほどある。これに比べて日本は千件弱、この少なさが多少の救いではある。

中国の腐敗官僚による不正蓄財は以前から指摘されていたが、今回のパナマ文書でいよいよ明らかになった。中国では「上に政策あれば下に対策あり」といわれるそうだが、彼の民族には、上が上なら下も下、こぞってカネ儲けにいそしむヘキがあるようだ。共産主義を教えたマルクス、エンゲルス先生がもっとも忌み嫌った資本主義の金権体質を、もっとも濃厚に具現しているのが今の共産主義大国、中国であるというのは皮肉である。

日本のパナマ“進出”では、商社や通信などの大手企業や、創業者などの富裕層が多いが、いずれもマスコミの取材に対して一様に、「課税逃れのタックスヘイブン利用ではない、まっとうな取引に使っている」と主張している。しかし、かりにまっとうな取引に使っている(ように見える)にしても“節税”になることは明らかで、まっとうな感覚なら“後ろめたい”はずではないか。

そんな折に、痛快な“見識”に出会った。読売新聞(16・5・11)「論点」欄で、ドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン州で財務相をつとめるノルベルト・ボルヤンスさんという人が語っている。「脱税捜査 内部情報が不可欠」だとして、脱税を摘発するためにはそれを立証する内部情報が必要で、そのためにはカネをはらってでもウラ情報を集める必要があるという。

そのやりかたで、この州では、スイスの銀行を中心に海外組織の脱税摘発を厳しく行い、「税の公平性を実現」するとともに「財政面でも多大な貢献」をしているという。具体的には盗み出された顧客情報を購入するのに1800万ユーロ(約22億円)を使ったが、脱税摘発を恐れる自己申告の増加や脱税ほう助の銀行に対する罰金などで、州は60億ユーロの新たな追加収入を得たという。その同氏さえ今回明らかになったパナマ文書の情報量には驚いている。そして、脱税者に助言や援助を行っていた人間が、しばしば犯罪組織やテロの資金援助に深く関わっていることが明らかになったとして情報流出の効果を高く評価している。

ともあれ、脱税は断じて許せない。日本においては60兆円超あるいはそれ以上の、国家予算にも迫りかねないカネが海外に“逃避”しているという。そのアナを埋めて、国も支え切れなくなっている社会保障費を支えるために、国外にカネを持ち出すほど持っていない一般国民の税金や持たざる者の消費税が使われているというのでは情けない。

そうした日本の“疑惑”企業や資産家の脱税・カネ隠しに、スポンサー第一のマスコミが容赦なく切り込むのはムリだ。テレビのニュース番組や識者とか専門家も同じ穴のムジナで、「かならずしも違法と言えない」「道義的な責任は問われるだろう」などと生ぬるい解説、論評になる。

先のワルターボルヤンスさんは、銀行や企業が脱税志向を変えたのは「道義的な熟慮ではなく、脱税のビジネスモデルが機能しなくなったと分かったから」だという。日本でもそのことを厳しく分らせる必要がある。そのためにも、リストに乗った企業や個人が今後どう動くか、その動きを厳しく注視すべきであろう。

(山勘 2016年5月25日)

TPPに限っては安倍首相が正しい


安倍首相が正しいというのは、アベノミクスには大いに異議ありだが、TPP(環太平洋経済連携協定)に限っていえば安倍首相が正しい、安倍内閣の積極姿勢は間違っていないということだ。これに対して民進党は、先月4月の国会審議におけるテレビ中継の場で、政府が出した日米TTP交渉に関わる資料、大幅に黒塗りされた、いわく「真っ黒な紙」を手柄顔にかざして政府を糾弾した。

これに対して、安倍首相は「誰が政権を担おうと交渉経緯の情報は出せない」と言い、石原TPP担当相は「こちらが勝ち取ったといえばあちらが譲ったことになる」と答えている。TPP認証の最終的なツメを注目される交渉の相手国、米国への迷惑や関係悪化を懸念するのは子どもでも分かる理屈だ。おまけにTPP参加の12か国が、発効から4年間の交渉過程の公表禁止で合意しているとなれば、民進党の「真っ黒な紙」抵抗は、語るに落ちる児戯に等しいパフォーマンスだ。

あげくに民進党は、特別委を欠席して審議を中断させた。まともな審議に応じない無為な抵抗は言論の府の国会議員として恥かしい。言うまでもなく、まともな審議のポイントはTPPが国益に適うかどうかだ。安倍首相は「TPP戦略をわが国の成長戦略の切り札にしていく」として、アジア太平洋における巨大な自由貿易圏の誕生が国益に適うと主張するのに対して、民進党は、コメや麦などの関税維持で合意した国会決議に反するとして政府を非難する。いわば保守・自民党が「国益」を主張し、革新・民進党が「農林水産業保護」を主張しているのである。ひと昔前なら完全に逆だったはずだ。

安倍首相もいうように、TPPは8億人の市場であり、世界の4割を占める経済圏だ。日本の中長期的な成長基盤であり、農政新時代を切り開くものだ。民進党が主張するコメや麦、農産物への悪影響については、いま、農林水産物に対する他国の関税撤廃率はおおよそ90%を超えているのに、わが国のそれは81%と大幅に立ち遅れているという。国際水準並みの“お付き合い”も必要ではないか。それに安い農産物が増えれば一般消費者が助かり、国全体としてみれば利益となる。

話は飛ぶが、最近出た高橋洋一著「戦後経済史は嘘ばかり」(PHP研究所)では、「関税率を下げるとWin-Winになるのが経済学の常識」であり、反論する経済学者はいないと言っている。同書の図解するところによれば、関税をかけたケースでは関税のないケースより儲けの面積が小さくなってしまう。その部分は「デッドウェイトロス」と呼ばれる国全体のロスであり取り戻すことができない。関税を引き下げれば損をする業界や業者なども出るが、国全体で見れば「デッドウェイトロス」を取り戻すことができる。マクロでみれば関税引き下げは必ず得をするとして「論破できない論理の根拠」を説明している。もちろん、不利益を被る者にどう手当てするかという問題は残る、とも付言する。

しかし、過度の農業保護は中長期的に日本農業の弱体化を招きかねない。安倍首相がいうとおり、TPPはアジア太平洋地域に巨大な自由貿易圏を誕生させ、各国の経済成長につなげる重要な意義を持つ。農業の国際競争力の強化など、論ずべき課題は多い。野党は見当外れの抵抗をやめ、まじめにTPPの意義、輸出の拡大や日本農業の国際競争力の強化を論議すべきだ。

 (山勘 2016年5月25日)